内容証明・配達証明の概要
内容証明・配達証明とは、共に書留に追加できる証明サービスです。
内容証明の概要
発信内容の証明。いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかを、郵便局に保管された謄本によって証明するサービスです。
配達証明の概要
到達の証明。その郵便物を配達したことを証明するサービスです。
この2つのサービスにより、いつ誰のどういった意思を、いつ誰のもとに証明することが出来ます。このように内容証明と配達証明は、共に郵便物に付加する独立した2つのサービスですが、一般に「内容証明」と言えば、配達証明を付加したものを指すことが多いようです。また「内容証明郵便に配達証明を付ける」という言い回しもよく使われています。このサイトでも便宜上、内容証明・配達証明を付けた書留郵便を「内容証明郵便」と呼ぶことにします。
また、内容証明には、以下の2つのサービスを選択できます。
- 従来の書面による内容証明郵便(郵便局へ書面を持参)
- 電子内容証明郵便サービス(e内容証明/自宅から書面内容を送信)
郵便法(抜粋) 第四十七条(配達証明)
配達証明の取扱いにおいては、会社において、当該郵便物を配達し、又は交付したことを証明する。
第四十八条(内容証明)
内容証明の取扱いにおいては、会社において、当該郵便物の内容である文書の内容を証明する。
2 前項の取扱いにおいては、郵便認証司による認証を受けるものとする。 ※条番号・条文は最新の郵便法をご確認のうえ確定してください。
注意すべき点
内容証明それ自体に特別な法的効力があるわけではありません。しかるべき文書を送ったのだということが証明出来るに過ぎません。事実証明の一つの手段として考えるのが妥当かもしれません。
いきなり内容証明を送られては、穏便に解決しようとしている相手を怒らせることにもなりかねず、それは何の得にもなりません。場合によっては、まず通常の便箋や封筒などで抑えた表現の文書を送るのも一つの方法です。さらに誠意があるかないかも確かめないうちに「本状到達後○日以内に」とか「いつまでに履行なき場合は法的措置を取ります」などと書くのは賢明な方法とは言えません。
また、事業者の作成した書面に記載されている通りの文面では効力の発生しない可能性があり、実際、2次被害が多く発生しています。配達証明を忘れずに付けておくべきです(特定記録と配達証明は異なるサービスなので注意)。
内容証明は一般参考書籍が多く発行されており作成そのものは非常に容易と言えますが、前述のようにケースバイケースで判断しなければならない要素が非常に多いので、充分な予備知識を仕入れた上で細心の注意を払って作成する必要があります。そして、安易に怒りに身を任せて利用してはいけません。
内容証明郵便の目的と効果の概要
効果として明言できないものに心理的効力があります。他人は、見慣れない特殊な形式の郵便物であったり、それ相応の効果があるものだと思うかもしれませんし、「法的手段」という言葉には差出人の決意が含まれているようです。しかし、そうした表面的な効果だけを期待して中身が伴わないのだと、かえって相手に余裕を持たせることにもなりかねません。本当に意味のあることを正しく伝える事が重要なのです。
内容証明郵便が使われる典型的な事例としては以下のようなものが挙げられます。
- クーリングオフしたいとき
- 債権を回収したいとき
- ストーカーや性犯罪被害に遭っているとき
- 金融業者の違法な取立てに遭っているとき
- 借地借家でのトラブルに遭っているとき
- 名誉に損害を受けたとき
クーリングオフ(解約したいとき)
目的としてはクーリングオフがよく知られています。いったん結んでしまった契約を無条件で解約させるわけですから、その書面内容が重要ですし、また法律でクーリングオフ出来る期間が定められているので日付が重要です。事業者に普通郵便で解約の意思を伝えても、そんな郵便物なんて見たことがないと後になってシラを切られるかもしれません。そういった意味で内容証明・配達証明はぴったりの手段と言えます。
債権回収(お金を払って欲しいとき)
債権回収の際に時効の完成を先延ばしするのにも用いられます。内容証明郵便で支払いを求めることは「催告」と呼ばれ、時効の完成を猶予させる手段となります。この場合の効果は6か月間で、その後さらに時効の完成を止めるためには裁判上の請求手続に移行する必要があります。
※2020年4月施行の改正民法により、従来の「時効の中断」は「時効の完成猶予・更新」という用語に改められています。
書面の作成と発送
謄本の作成方法
内容文書1通と謄本(コピーやカーボン紙による複写等)2通を作成します。つまり同じ内容の文書が全部で3通(差出人保管・郵便局保管・相手方送付)です。用紙の大きさや筆記用具の指定はありません(ワープロでも手書きでも構いません)。PCで原稿を作成して複写したものが一般的でしょう。手書きの場合は、市販の用紙(赤い罫線が引かれたものをよく見かけます)を使うと便利ですが、必ず使わなければならないわけでもありません。
| 区別 | 字数・行数の制限 |
|---|---|
| 縦書きの場合 | 1行20字以内、1枚26行以内 |
| 横書きの場合 | 1行20字以内、1枚26行以内 1行13字以内、1枚40行以内 1行26字以内、1枚20行以内 (いずれかを選択) |
※この制限は謄本に関するものであり、内容文書には字数・行数の制限はありません。
記号は、1個1字とします。ただし括弧は上下(横書きの場合は左右)を全体として1字とし、上(左)の括弧の属する行の字数に算入します。文字は仮名、漢字および数字のみが原則ですが、英字(固有名詞に限ります)および括弧、句読点その他一般に記号として使用されるものを記載することもできます。
謄本の文字や記号を訂正し、挿入し、または削除するときは、その字数および箇所を欄外または末尾の余白に記載し、差出人の印を押印します。この場合、その訂正または削除に係る文字は明らかに読み得るよう字体を残します。とはいえ、体裁が悪いものですから出来るだけ書き直した方がよいでしょう。
謄本の枚数が2枚以上にわたるときは、そのつづり目に契印をします。謄本には差出人および受取人の住所氏名を末尾余白に付記します(内容文書に記載されたものと同一のときは原則として省略できます)。付記した文字は謄本の字数・枚数には算入しません。
内容文書以外のもの、たとえば図面や返信用封筒、有価証券などは同封できません。
封筒と謄本・受取人および差出人が記載された印(三文判でも構いません)を持参して、郵便局へ行きます。内容証明は、集配業務を行う郵便局および指定された郵便局で取り扱っています。事前に電話などで確認すると良いでしょう。提出すると、その場で内容を確認し、1通は相手に郵送、1通は差出郵便局にて保管(5年間)、1通は控えとして差出人に返却されます。この控えと受領証は大切に保管してください。証明の際に必要になります。
配達証明を付けるのを忘れないようにしてください。配達が完了すると、その旨が記載された葉書が届きます(配達証明)。これも大切に保管してください。
取扱郵便局の料金
配達証明を付けた内容証明郵便の料金は、郵便物の基本料金の他に、以下の3つの料金が加算された額となります。
| 区分 | 料金 |
|---|---|
| 一般書留の加算料金(必須) | 480円 損害要償額10万円まで |
| 内容証明の加算料金 | 480円 謄本2枚目以降は1枚ごとに290円増 |
| 配達証明の加算料金 | 350円 差出後に依頼する場合は480円 |
110円(定形郵便物)+ 480円(一般書留)+ 480円(内容証明)+ 350円(配達証明)= 1,420円
※同文の内容証明は、2通目以降が半額となります。速達とする場合はさらに加算されます(250gまで300円)。料金は改定されることがありますので、最新の料金は日本郵便の料金表でご確認ください。
受取拒否や不在で返送されてきた場合
宛先が間違っている等の他に、受取拒否や不在で留置期間満了まで留め置かれると、郵便物は返還(還付)されます。この場合、差出人の意思は相手に到達したとみなされるのでしょうか。
本人の受取拒否の場合、意思表示は到達したとみるのが一般的です。配達証明は必ず付けておきましょう。
受取人が不在であった場合は、諸事情でケースにより判断が分かれてきましたが、最高裁で意思表示は到達したとする判断が示されています(最判 平成10年6月11日 ほか)。この場合は「受け取ろうと思えば受け取れたはず」という状況があったので、どうしても受け取れなかったという場合には別の判断がされる可能性があります。
受取人が不在であることを装う場合もありますが、方法はあります。何度か内容証明郵便を送ってみて、それでも還付されるなら、相手の受取拒否の意思がより明確になります。また、普通郵便等で同じ内容を送って、その旨(「本書の写しを別途普通郵便にて送付する」)を内容証明郵便に記載しておくのも一つの方法です。とにかく、諦めずに幾通りかの手段を講じてみることです。後の訴えでも有効な立証に役立てる可能性が出てきます。
また、公示による意思表示という方法もあります(民法98条)。裁判所への掲示および官報への掲載等により意思表示を行い、掲示を始めた日から2週間を経過した時に、相手方に到達したものとみなされます。
様々な郵便サービスと用語の英訳
| 日本語 | English |
|---|---|
| 内容証明郵便 | contents-certified mail |
| 内容証明 | Contents Certificate |
| 配達証明 | Delivery certificate |
| 書留 | Registered Mail(Certified mail と呼ばれることもある) |
| 簡易書留 | Simplified Registered Mail |
| 速達 | Express Mail |
| 配達日指定郵便 | Delivery Date specified Mail |
| 本人限定受取郵便 | Restricted Delivery Mail Service |
※かつて存在した「配達記録郵便」は2009年3月1日の書留(配達記録)等取扱いの変更により廃止され、「特定記録」が新設されました。特定記録は、引受けの記録のみで配達の完了(到達)を記録するものではありません。配達証明とは別のサービスですのでご注意ください。
当事務所の関連業務
内容証明郵便の作成を承っています。電子内容証明郵便にも対応しています。標準報酬額は報酬額のページをご覧ください。お見積りは無料です。